やはりオタクな人間には警戒してしまう

ずいぶん長くなっちまいました。目が疲れるようでしたらこんな泡読まないでいいです。
自分がまだまだうぶだった秋田県内のとある高校1年生のころ,ある同級と交わる機を得ました。なんでも幼少のころから鉄道が大好きで,もう既に北海道を除いて本州以南のレールは全て走破していたとのことだった。まだ高校1年の時点でそこまでやってしまうって,はっきりいってすごいことなので,それでひどく感心して,それで彼に興味が湧いてきたのだった。
いま思うとこれがまちがいのはじまりだった。
当時,自分は,列車で通学していたし,それに家庭の事情があって,隣の山形県の方にもしばしば足を運んでいたこともあってか,自分の生活と鉄道とはかなり縁が近かった。それで鉄道についていろいろ知りたかったので,鉄道好きな彼に,定期券の買い方,遠距離の場合*1のお得な切符の買い方等について,いろいろ教えを乞うたりした。いや,教えてくださいなどとお願いしなくとも,彼のほうからどんどん一方的に講釈を始めてきた。
このあたりで気がつくべきだったのかもしれない。
ある日,別の同級と,先日の試験のこととか,昨日観たテレビ番組とか,そういったたわいの無いことで雑談して楽しんでいたら,そしたら突然,件の鉄道好きな彼がなにも言わずにぬっと割り込んできて,お得意な鉄道談義をぺちゃぺちゃと繰り出してきた。人の雑談に割り込んできて,すみませんの一言もない,いまだったら,「失礼な!」ときつく言い返してやるところだけれども,当時はやはりうぶだったせいか,そこまで頭が回らなかった。
どうもこの時点で完全になめられていたのかもしれない。
そして,こういうことは一度や二度だけではなかった。それであるとき,とうとうたまらなくなって,「いま忙しいから後にしてくれないか。」と言い放ったら,彼は,急にキレて,わたしの襟首つかんでぐらぐら揺り動かし,変な目で睨みつけてきて,脅し文句を言いだした「失礼なまねをするな」 いま思うとはっきりいって横暴だが,でも,やっぱり当時の自分はうぶだったのですね。彼の脅しにのまれてしまって,思わず絶句してしまったのです。それですごすごとまたわけもわからず彼の鉄道談義に付き合わされる羽目になりました。我ながら情けなし。
ただこの時点で,自分の心の奥底では,怒りがぐらぐら煮えたぎってました。こんな自己中心なヤツとは付き合ってられません。この事件以来,まともに相手にしなくなりました。もちろん結局高校卒業後も交流は絶ったまんまです。一時期はけっこう仲良かったんで残念なんですが。
いま思うと,承前のとおり,彼は幼少のみぎりから鉄道好きだったのでしょうが,しかしおそらく当時から同好の士があいにく周りにいなくて,彼は寂しかったのかもしれない。それで話し相手を探し求めていたところ,ちょうどわたしという,うぶな人間がそこにいたわけで,しかも鉄道に関心を示している,それにお互い高校一年生ということもあって,過去のことはお互い知らない状態だし,それでいいターゲットにされてしまったと思うんですよね。だもんだから,自分が他の同級とごく普通の雑談をしているのを目撃すると,嫉妬を感じてきて,放っておけなかったのかもしれません。それであんな会話割り込み行為を執拗にしてきたのでしょうか。*2嫌がらせに等しいですが。
ただ,この事件以来,鉄道オタクはやだ〜ということがわたしの脳内にインプットされてしまいました。
もちろん,オタクがすべて悪いというのではありませんよ。ただそのことを自覚せず,ひたすら自己中心な輩にはうんざりなのでありまする。もっと他のさまざまな事象にも,たのしく,謙虚に耳を傾けることって出来ないものか,そう言いたい。
でも,上記は,年を経たいまだからとりあえず虚心坦懐に回想できますことです。はっきりいって,いまでもややトラウマになっています。あれは単なる単なる悪夢だったに違いありませんと思いたいです。

*1:秋田⇔山形

*2:後で知った話によると,彼は中学校のころから,そういう偏執的な気質と強情さがあって,学年からは嫌われていたみたいだったようです。こまったものです。