味一品

お店メモ。仙台市泉区にある,個人営業の,小さなラーメン店です*1
ひと言で言うと,仙台版「天下一品」です。適度にへたった麺が,どろどろ濃厚スープともみくちゃからみあってます。このスープが麺にねばねばとからみついて,それをずるずると啜り食べる食感が独特です。そしてお好み次第で,カウンター上のからし味噌や,すりおろしにんにくをどばっと入れて,味を「くどくして」食べることも自由自在です。それだけ,共通点に溢れているラーメンです。
ただし,いまや全国にチェーン店がひろがった「天下一品」とはちがって,この店の雰囲気は,まったくもって,あかぬけていません。あくまでも,個人経営の小さなラーメン店です。地元と密着に関わりあいながら営まれている店です。
それだけに,俗化とは縁遠い,荒削りな迫力が,ここの店舗と,ラーメンには,あります。
まず,承前のとおり,スープはどろどろ濃厚なのだが,この「味一品」のスープというのは,香辛料系の調味料もかなり取り混ぜているようです。だから,スープが黒っぽいです。なにやら得体の知れない「不純物」がたくさん混ざっているような印象を見た目にかもし出してくれます。怪しいです。
そして,また,このスープと麺とを受け止める,どんぶりがすごい! ふちがすでにあちこちひびわれてて,そのひびの中にも,積年の不純物がこびりついています。街中のこぎれいなチェーン店系ではまずこのような年季ものな器は使われないでしょう。それだけのプリミティブな迫力に満ち満ちているのであります(ていうか,この器を洗ってて,手を切ったりしないのだろうか)。
ちなみに,ここの店内を見渡すと,ところせましと,タイガースグッズが飾られてて,空間が,黄色と黒ばっかりです。仙台市に住みながら,タイガースファンを貫くというのは,強烈な個性を所有している証のひとつともいえるのではないかと。そういう店主の心性が,そのまんま,「味一品」のラーメンにも個性として反映されているような,そんな気すらします。
こういった雰囲気の中で食べると,もう強烈過ぎ。スープも濃すぎ。一度食べたら,忘れられません。たいしたものです。