スープストック作る


雨天。青空文庫の更新状況を眺めていたら、安吾さんの「わが工夫せるオジヤ*1」なるものが追加されていたので読んでみる。前半は、酒とドラッグに関する失敗談とかばかりが延々延々書きつづられています。そして話が後半になって、やっと表題のオジヤの話と作り方とが出てきます。なかなか型破りな構成です。レシピの箇所をコピーペーストしてみる。

一番微妙な汁といえば、スープであるから、それを用いてオジヤを作らせてみた。そして、二三度注文をだし手を加えて、私の常食のオジヤを工夫してもらッたのである。それ以来一ヶ月半、ズッと毎日同じオジヤを朝晩食って飽きないし、他のオジヤを欲する気持にもならない。
私のオジヤでは、鶏骨、鶏肉、ジャガイモ、人参、キャベツ、豆類などを入れて、野菜の原形がとけてなくなる程度のスープストックを使用する。三日以上煮る。三日以下では、オジヤがまずい。私の好み乃至は迷信によって、野菜の量を多くし、スープが濁っても構わないから、どんどん煮立てて野菜をとかしてしまうのである。したがって、それ自体をスープとして用いると、濃厚で、粗雑で、乱暴であるが、これぐらい強烈なものでもオジヤにすると平凡な目立たない味になるのである。

読んでみて気が付いたことは、これこそ「ル・クルーゼ」向きの料理だなと感じたことです。厚手の鍋で焦がさずに長時間ことことことこと煮込み続けられるかどうかが、いいスープストックを作れるかどうかの決め手にになりそうです。
しかも記載の材料は、いつでも台所と冷蔵庫に準備してあるものばかりです。これなら簡単に出来ると思ったので、さっそく食材を捌いて煮込んでいます。本当に3日以上煮込み続けて「野菜の原型がとけてなくなる」位までやってやろうと思っています。酒とドラッグについての失敗談はとても真似しようとは思いませんが、型破りな合理性を有するともいえるその料理の手法はためしてみようと思います。
添付画像のは3時間煮込んだ状態です。野菜の原型はまだまだ余裕でとどめています。とけてどろどろになるか、そして、毎日食べても飽きないものになるかどうか期待しています。食べるのは来週火曜日あたりになります。
天下一品のようなスープになったりするのでしょうか。