本日のBGM

ヘルベルト・ケーゲル指揮ライプティヒ放響ショスタコーヴィチ#9&#5。9番は1978年5番は1986年共にライブ録音。ケーゲルの録音がこのごろ注目されているらしくて店頭にずらずら並んでいる。そのうちのこの一枚が気になって買ってみたのだが,・・・これ,当たりでした。^^ おもしろいです,見事なもんです,特に5番のほうが。
勢いでえ〜いと突き進んでいくタイプ*1ではなくて,どちらかというと,エネルギーをじっくりためながら進行しつつ,そしてそれを要所要所でどかんと爆発させていくタイプ。それでいて抑制は効いていて響きはけして下品にならず,終始緊張感が保たれている。したがって,テンポは遅めで渋いのだが,それが実におもしろかったのでした。とくに第2楽章なんかテーマが変わるたびにテンポの微妙な揺れがあちこちにあって,飽きさせません,大胆なパウゼもあり。第3楽章の,しっとり落ち着いた味わいと瞑想美とそこはかなとない悲劇的な味わいは格別。第4楽章も,これまた遅めのテンポで格調高く決めていて,コーダの雰囲気は厳粛です。最後の和音を終えた後の観客の拍手も,しーんとしばらくずいぶんと間を置いた後でやっと割れるように立ち起こり,まことにこの解釈にふさわしいというところです。
あ〜おもしろかった。他のもショスタコのも買えば良かったです。*2とくにロジンスキ,バーンスタインムラヴィンスキー,スクロヴァチェフスキーとかいった,快速な演奏で耳を慣らしてきた方にはこのケーゲル盤おすすめです。この,エラヴォレーションがじっくりとほどこされたであろう落ち着いた解釈がとっても新鮮に聴こえますです。

*1:たとえば,ロジンスキとかバーンスタイン指揮みたいな

*2:4番とか,11番とか興味あり