本日の無意味

自動車で峠越えをしようと,長い長い坂を上って走行していると,やがて自分の走っている目の前の車線が,二車線に分かれるときがあります。左側が遅い車両用,そして右側が速い車両用,いわゆる登坂車線(とうはんしゃせん)でございます。
わたしの場合,走行中,この登坂車線にさしかかると,おもわず,なぜか,”とさかしゃせん”,と心の中でつぶやいてしまう癖があります。もちろんこれが間違ったフリガナであることは百も承知です。でも,”とうはんしゃせん”では,しっくりこないのです。”とさかしゃせん”とつぶやきたくなるのです。子供の頃に間違って覚えてしまったフリガナを記憶のなかで引きずっているだけの話なのですが。
自分の車はパワーが弱いので,上り坂が続くとスピードがさっぱり出ないので,こういう登坂車線にさしかかると,これさいわい左側車線に寄ることにしてしまって,後続の車両には,どんどん追い抜いてもらうことにしてます。こうして自分の車両右脇を何台もびゅんびゅん追い抜いていただくときの,何かしら肩の荷がおりたような安堵感は格別,運転していて気持ちいいです。
このように,スピードの出ない遅い車なれば,左に寄って後続にどんどん追い抜いてもらうべきで,それが交通安全にもなると思っているのですが,しかし,たまに,場の空気が読めないドライバーというのは,どこにもいるもので,いまご自身の運転している車が,パワー不足でこの上り坂でスピードがさっぱり出てくれないにも関わらず,頑として左側車線には寄らず,とことんマイペースで右側車線走行を守り続ける人が,いたりするのです。
こういうのが不幸にも,自分のすぐ前方に陣取ってたりすると,嫌なものです。後続車両が何台も詰まっているにも関わらず,しかし肝心の先頭車両が左側に寄ってくれないものだから,しぜん,後続車の方で,左側車線を使って追い越ししていかざるを得なくなる。しかし,その左側車線にはスピードの遅い車が連なってるので,つまり2車線とも埋まってしまっている以上,やはり追い越しづらい。けっきょく交通の流れが滞ってしまうわけです。
もう,見ているだけで腹が立ってきます。
思わず心の中でつぶやいてしまいました。
「とさかに来た」