日録

晴れ。夕刻、市内のイオンに出かけて買出し。サバが安かったので買う。醤油で煮込んでおいて明日食べようと思います。
彰義隊 (新潮文庫)吉村昭著)」読む。タイトルは彰義隊なのだが、上野戦争についての記述は前半だけであっさり終了してしまって、残り後半は輪王寺宮の後半生を綴るという構成。なんでこんな構成になったのかな、と思いつつでしたが、末尾の「あとがき」を読んだら、思わず納得しました。上野戦争での苦い記憶が彼の後半生を重く重く支配したのではないか、という仮定があったからこそ、こういう構成とタイトルにした、とのこと。皇族でありながら、彰義隊に関わったばかりに朝敵ということで、歴史の渦の中でもみくちゃにされたこと、そこでの心の傷がこの小説のテーマということです。なるほどと思います。
Googleで地図眺めながら読んでました。上野のお山から退散して、尾久、三ノ輪、浅草、市ヶ谷という順で、つてを頼って逃走してるシーンなんか、当時の江戸の街と今の東京とでは、どちらが逃避行に有利なのだろうかと考えたりしてました。今の方が建物が多いから裏道をたどりながら走ればあちこち紛れやすいかもしれません。それにしても幕末当時は、ひろびろとした沼地が広がってて、尾久から浅草まで見通すことができたなんて信じられません。