たわむれに

荷風散人の古本をネットオークションで眺めてみる。買うつもりはとくになくて,古書相場をただ見たかっただけです。名高い「墨東綺譚*1」のそれも初版本が出品されていたので,ふとクリックして眺めてみました。やってくれます。出品者が漢字に疎いみたいで,「こくとうきたん?」とルビをふってくれてました。なにがおかしいかって,こくとうと読んでいることもさることながら,それでも末尾に「?」マークをつけているということは,この読み方が「怪しい」ということを出品者本人も強く認識している,ということが窺えるからです。これは検索で「荷風」を調べてみれば,答えはすぐにわかると思うのですが、それをやろうとしないというその無邪気さが,可笑しいと思うのでした。

*1:原本どおり、さんずいに”墨”と出力したいのだが、出来なさそうです。