カント先生メモ

C ある小国が大国の外とのつながりを断つような位置にあり,大国にとっては外とのつながりを維持することが必要な場合には,大国はその小国を服従させ,自国に併合する権利はあるだろうか。大国がその原則をあらかじめ公表できないことはわかる。これを公表したら,小国はそれに先立って他国と連合してしまうか,ほかの大国がこの獲物をめぐって争うようになるからである。だからこの原則を公表したら,それは実行できなくなる。このことはこの原則が不正であること,しかもきわめて不正なものであることを示すものである。不正の行われる対象が小さくても,その不正が極めて大きいこともありうるのである。・・・「永遠平和のために(光文社)247頁より」

いわれてみると,上述は,国同士の世界ではあたりまえの話ですね。
たしかに大国側から小国の併合のことを「あらかじめ」「公表したら」ややこしいことになります。
だが,国同士ではなくて,日本国内の,市町村合併においては,このような力学が,生じたものかどうか。
個別に,考察してみると興味深いのかも。