本日の読書

孤狼は挫けず (徳間文庫)大藪春彦ケイブンシャ文庫)」大藪さんのバイオレンスな作品読むのは今回が生まれて初めて。巻頭から巻末に至るまで銃器と軍事知識の薀蓄の量,へたをするとアクション描写よりもはるかに行を割いて丁寧に記述されてたりして,そのことに驚かされる。逆に考えると,もしアクション映画を,純粋に「文章」として表現するためには,こういう有り余る「物騒な知識」をもって綿密に考証して書かないと駄目なのかなと思ったりします。
だけどマニアックな記述が多いにも関わらず文章は平易で読みやすい。読んでて感じるスピード感はかなり速い。一気呵成に読み終えてしまいました。エンターテイメントとして文句なしです。☆☆☆☆☆
戦場での兵士の死体や拷問等について,何かとエグい記述もあったりするが,文章で読む分には,生々しさはむしろ軽減されるように思う。映像化なぞしたらとたんにR指定を受けそうなものがたくさん。読み手の想像力に依存する文章世界だからこそ,作者は羽目を外して奔放自由にやってるといったところでしょうか。