本日の読書

青森と昭和モダニズム抄―レヴュー作家菊谷栄と方言詩人高木恭造「青森と昭和モダニズム抄―レヴュー作家菊谷栄と方言詩人高木恭造(有戸英明著路上社)」菊谷栄と高木恭造。どちらも津軽の生まれだが,その生涯はあまりにも対照的。その軽やかな音楽的センスを武器に,昭和初期のモダニズムに乗って,初期エノケンのミュージカル脚本を矢継ぎ早に書きまくって,その華々しい活躍の絶頂期に戦場に狩り出されて非業の死を遂げた菊谷。早くから文学と音楽に傾倒しながらも,目がなかなか出なくて,なんともぱっとしない青春を過ごし,その後青森で眼科を営みながらひっそりと津軽弁で詩作朗読を続けることで詩人としての境地を深めた高木。この二人に共通する津軽人気質とその「エスプリ」の解明とその時代背景を知ることが出来るガイド本であります。
ちなみにキーワード高木恭造をたどってたところ「まるめろ」の原文掲載サイト発見。感服感服。