ふと

仙台の文学館の特展に触発されて,藤沢周平著「白き瓶」を読んでるところ。歌人長塚節の伝記。これは記述が濃くて読みがいあり過ぎ。ようやく冒頭の100ページ読み終えたところ。茨城の節の生家はもともと裕福なのだがしかし父が政治に熱中するあまり借財がふくらんでしまっていて経済危機に陥っておりそしてそれを長男として将来後とりしなくてはならないことに対する不安があること。そしてその傾いた家産が遠因で縁談話も立ち消えになってしまう切ない事件が起きること。歌人伊藤左千夫とは歌詠みのスタンス上の問題で反目状態で気持ちがお互いくすぶっていてなにやら不穏な状態が続いていること。冒頭100ページから短歌創作の影にひそむ人間くさいドラマが仔細に書き込まれています。今週いっぱいゆったりと付き合えそうです。
これ読み終えたら,「土」もじっくりと腰据えて読んでみたくなってきました。ちなみに青空文庫のはルビの表示が括弧だらけで読みづら過ぎです。なんでああなってしまったのでせう。