エロティシズム確認作業

たしか澁澤龍彦著「三島由紀夫おぼえがき」だったと思う(記憶違いの可能性もかなり高いが)。ある日,三島氏が,澁澤氏に向かって,下記のような趣旨で川端文学論で談笑したエピソードが,そこに記載されていたような気がする。
「この間,川端さん(川端康成)の少女小説をまとめて読んでみたんだ。おどろいたよ。川端さんが純文学として発表したのよりも,はるかにエロティックなんだ,あんなの子供に読ませてもいいのかね(笑)」*1
上記の三島発言中には,当該少女小説の具体的な表題名については,まったく触れられていないので,後世の読者が,ここで三島が指摘したところのエロティシズムについて確かめるとするならば,おそらく川端康成全集を図書館で探し出してきて,”少女小説”として発表された作品を,すべてピックアップして,それらすべて読んで確かめなくてはならないのだが,だれか似たようなことやったことあるひとっています? いや,三島に上記の発言をさせたという意味で,いちばん,ぴったりはまっていると推測される,その少女小説の表題を指摘いただけたら,自分も図書館に行って読んで見たいと思うんです。万が一,そういう方おられましたら,下にコメントぶら下げていただけたら幸いです。期限は無期限。検索でこの記事ひっかけた折にはお気兼ねなく。って,あまりにずるい相談なので,やはり,ひまをつくって,自分で確かめるしかなさそうですがw*2

*1:「はるかにエロティック」といっても,この三島発言に続けて,著者澁澤氏がこれにフォローするには,「大人が読まないとわからないエロティック」とのことなのだが。

*2:新潮文庫でこのごろ出ている文豪ナビ”川端康成”を本屋で立ち読みしてたら,川端の作品が持つエロティシズムに大胆に触れている記載が目立ってたので,触発されてこんな読書記憶思い出してました。この文豪ナビシリーズは,”近代文学”,”ノーベル賞”とかいう既成の硬い枠組みを取り払って,日常的な親しみやすい視点で小説の面白さを解説してくれてるのが嬉しいです。むかしからこういうのって何冊かでてるけど,この敷居の低さと明快さはかなりのものだと思います。