日録

雨天。午後から秋田に移動して、週末はここで過ごす。つい昨夜からブックオフで見つけた「アイ・ラブ安吾 (朝日文芸文庫)」というアンナさんの朝日文庫のものをめくって読んでいる。奥付きは1992年とあるので、すでに約20年経過していることにまず驚く。とはいえ、いま読んでも、すごい素敵な内容だと思う。文章はすごい軽くて楽しくて、それでいながらバックボーンの深さが知れなくて、普通のひとには逆立ちしても太刀打ちできない世界だと思う。「保久呂天皇」「波子」「犯人」とかいった、あんまり言及されたことのないものに焦点をあてているのも興味深い。おかげで「保久呂天皇」原作も青空文庫から拾って、改めて読了してしまった。たしかに暗〜い結末が待ってる話で、そのとおりな内容で、だけどキャッチな警句などは無くて、最後まで淡々たる叙述で終始しているのが、意外だったように思う。ネタ探しも兼ねて、他のものもこの機会に拾い読みしてみようと思う。
もうひとつ「わが青春 わが放浪 (福武文庫)」という森敦さんのエッセイ集(福武文庫)を見つけたので、これも秋の夜長に読んでみる。半世紀むかしの裏日本の光景が丁寧に描かれてるのがたいへんよろしい。いまこの東北地方で読んでても、すでに失われた世界のような心地あります。ゆっくり読んで、土曜日曜はおとなしく過ごすことにします。
また週明けからはどたばたしますので、いまのうちにゆっくり休養いたしましょう。それよりも、このうっとうしいしとしと雨模様がなんとかならないものかと思います。おかげでジョギングすらできません。おやすみなさいませ。