日録

自宅にて読む。青空文庫で「街はふるさと*1」をダウンロードしてきて、ipodtouchアプリ豊平文庫に封じこめて、少しずつ読んでます。今回はひととおり通読してみようと思います。安吾さんにしては、文体が淡白で、なんか、つかみどころがないです。これが「吹雪物語」だったらひたすら陰鬱な思考回路ぶり、あるいは「火」だったら主役玄吉の圧倒的な存在感、これら二つの長編はそういう意味では濃厚で一貫しているものがあったから、けっこう食らいつけたんです。それに比べると、「街はふるさと」はなかなか茫洋としていて、捉えにくいものがあるように感じます。
それでも今回はわりと食らいつけそうです。放二さんを中心に見据えて、そして、筋書きとかもあんまり気にしないで読んでいくの良いのかな、と思います。ぱっと読み進めてきて思うには、この猥雑とも言える日常性の中に、そこはかなとなくロマンを追い求めて、自身の願望をそこかしこにちらつかせているような感じが、安吾さんらしいところかな、という気がしてきてます。
まだ10分の1くらいしか読んでないけどね。全部読み通すのはいつになるかはわかりません。