日録

晴れ。今週は妙に短いような気もします。来週火曜日はもう安吾忌なのですね。当日はもちろん遊びに行く予定です。うまい具合に午後を休みをとって、東京散策のついでに、会場入りする心算です。軽く軽く楽しんできましょう。宿泊はしません。一次会だけ軽く付き合って、ほろよい加減で新幹線にささっと乗ってまた白河に戻る予定です。翌日もあるので、そんなのんべんだらりとしているわけにはいかないです。
今年は2009年ということで、安吾さんつながりでは節目な年ではないわけですが、そうでなくても、生誕百周年ということで、さらに存在感の大きな、太宰さんとか松本さんとかがいますので。スポットライトを浴びせうるべき人に浴びせて楽しんで参りましょう。
あと、じつは、今年は、ひそかに荷風さんの節目の年です。没後50周年かつ生誕130周年であります。4月30日荷風忌はちょっと賑わうかもしれません。当日、箕輪浄閑寺に足を運んでみるのも一興ではないかと思います。なんで、荷風にこう言及するかというと、川本三郎氏による「荷風安吾」という評論がふと気になっていたからです。評論の趣旨は、安吾がそのエッセイ「通俗作家荷風*1」で荷風のことを「嫌味な趣味人」として扱き下ろしているくらいで、そしてその作風も人間性もお互い異なっているように見えて、しかし、じつは、案外共通項があるということ。たとえば、安吾「白痴」と荷風「墨東綺譚」が奇しくも構成が酷似しており、二人ともロマンティストという意味ではかなり近いものがあるようだ、このことがたいへんおもしろい、という趣旨でした。かなり独創的な切り口なので興味深かったです。そう言われてみれば、たしかに両者相通じるものあるように思います。
二人とも、フランス文学に親炙したということ、散歩が好きなこと、人間の好き嫌いが激しいこと、個人主義傾向が強いこと、・・・強引すぎるかもしれないが、相似ている点は、あるといえばあるかもです。