読了上下巻

摘録 断腸亭日乗〈上〉 (岩波文庫)」「摘録 断腸亭日乗〈下〉 (岩波文庫)」この2月に世田谷にて特別展拝して以来少しずつ読み進めしところ今宵深更に居たりてようやく読み了ぬ。改めて思う名散文なりと。世相を諷刺する視点,戦災に焼け出されし自らの哀れなる境遇をも格調高く書き起こす手腕共々眞に秀逸なり。あまりの軽業ぶりに時には笑いをも誘発せられることしばしばなり。
荷風散人版権切れ迄残すところ2年。日乗全貌電子化の日も又近し。泉下の散人如何に思いしか。
なんだか日乗の文体が伝染ってしまってます。もっともいまにはじまったことではないですが。
今週もいろんな火の粉が矢数のように降ってきそうですが,乗り切りましょう。5月上旬になったらぱたりと止む(はずな)のでそれまで歩き続けます。