以前飛行機に乗ったとき

離陸してしばらくして、機内が平行に安定してベルト解放ランプが点されたときのことです。
肘掛すぐ隣りの、とある男性が、洗面器くらいの大きさの風呂敷包みを足元からとり出してきました。風呂敷包みをするりとほどきはじめました。すると中から6人前くらいのオードブルが出てきました。エビフライ、天ぷら、フライドポテト、ソーセージ、ハム、サラダ、煮物、肉団子とかいった酒肴っぽいものばかりが、丸い器のなかに、びっしりすきまなく盛り付けられていました。
何をするのだろうと眺めていたところ、この男性、割り箸を取り出して、いきなり食べ始めました。ご飯やビールとかが傍らにあるわけでもなくて、ただひたすらに、塩辛そうなオードブルばかり黙々黙々と片っ端から食べ始めました。おかず専門状態です。
1時間位経過、飛行機は目的地にだいぶ近づいてきました。ベルト着用指示ランプがふたたび点灯しました。
件のオードブルは、ほぼすべて平らげられていました。あの脂っこさそうなものばっかり、一心不乱に食べ尽くしてくれました。ギャル曽根もびっくりしかねない、すごい食欲でした。
ただ、それにしても、機内が、食べ物の匂いでむんむんまんえんしてくれてたのは閉口させられました。