本日の読書

「超」怖い話E(イプシロン) (竹書房文庫)」こんな夜長に読んでると,薄っ気味悪い思いがするけど,怪談って,読み出すとけっこうはまります。
こないだのあの本は怖かった,この本はそれほど怖くなかったな,などと思ったりしながら,冊数をつぎつぎと増やしてしまいそうな気配します。
ちなみに,本日読んだ,この巻は,怖さとしては「中くらい」でしょうか。因縁話めいたオチにもっていく筋書きの怪談を中心に,収録しているような印象です。因縁話オチということで,言い換えると,けっこう「論理的な」解釈が可能な結末が待っているので,逆に言うと「理不尽な怖さ」というのは,この巻には少ないようです。そういう意味では安心して(?)通読することが出来ました。
そういえば,怪談なのかコントなのか読む人によって解釈が分かれそうな話が収録されてました。たまたまひき逃げ現場に遭遇したトラック運転手の話です。ある明け方,ひき逃げの現場に遭遇しました。被害者は新聞配達員,状態はすでに即死で「正視するに耐えない姿」でした。加害者はその現場で車から出てきて呆然と棒立ちして,その死体を眺めていました。トラック運転手は加害者に対して言いました。「いま警察と救急車を呼ぶから,ここでおとなしくしてなさい」 しかし,すこし目を離したとたんに,その加害者は,車に乗って一目散に逃走してしまいました。しかし,その後,加害者はすぐに警察に拘束されました。加害者の風貌と車のナンバーを即座にメモしていたのです。・・・しかし,それからが「怪談」になります。そのトラック運転手の枕もとに,夜な夜な,被害者の霊が現れるようになるのです。それも被害にあったときの「正視に耐えない」無残な姿で,です。しかも生前「新聞配達員」だったものだから,室内に置いてある「新聞紙」を手探りで探し回っている様子で化けて出ています。トラック運転手は恐れずに言う。「新聞ならそこにあるぞ」。そして続けて「おまえは,うちに化けて出てくる筋合いは無い。出るなら被害者のところに出ろ」などと罵って,拳を振り上げて幽霊を「殴って」成敗するという話でした。これは怪談なのでしょうか,コントなのでしょうか。謎です。ホラーとコメディというのは,まさに紙一重のような気がします。
ちなみに,キーワードをたどって探ってみると,「新耳袋」という本が,怖いという意味では,かなり粒揃いな怪談が揃っているようです。次回はそれを購入候補にしましょう。