酢たまご

今朝方見た夢の話です。
酢たまごを作りたくなりました。冷蔵庫の中からにわとりのたまごを2つばかりもらってきて,そしてそれを100均で売られている透明な容器のなかに納めました。上から酢をとくとくと注ぎいれました。2つのたまごがひたひたになるくらい注ぎいれました。
まもなく酢の中で2つのたまごが変化し始めました。殻の表面に小さな泡がつぎつぎと立ち現れては全体をおおいつくしました。殻が溶けはじめているようです。これで4日ぐらいそのままにしておけば,殻が全部溶けて無くなってしまうそうです。そうなったら薄皮を取り去って,わりばしでぐるぐるかき回して黄身も白身もそして酢もぐちゃぐちゃに混ぜ合わせてしまえば,酢たまごの完成になるそうです。
わたしはそのようなレシピの文章に素直にしたがうことにして,このまま4日間台所に放置することに決めました。
1時間くらいして,ふと様子を見に行きました。相変わらず小さな泡が器の中で湧いてはぷちぷちはじけていました。だけど,さっきとは違って,たまごが少し浮き上がって,酢の海の表面をただよっているように思いました。そういうものなのかなと思っただけで,あまり深く考えずにそのままにしておくことにしました。
それからまた居間に戻って1時間位本を読んだりして,くつろいでいました。
すると,なにやら台所の方からかたかたことことと奇妙な音が聞こえてきました。いったい何だろうと不審に思ったので,台所に駆けつけてみると,ああ,なんということでしょう,2つのたまごが酢の中で暴れていました。殻の表面からおおきな泡がぶくぶく吹き上がったり吹き上がらなかったりを繰り返しながら,上下左右に激しく揺れ動いては容器の壁にぶつかってことことと音を立てていました。まるで鍋の中でゆで卵を激しくゆでつづけているような按配でした。酢は激しく波立ち,しぶきをあげては飛び散って,すっぱい空気を周囲に漂わせていました。
なんだかただならない雰囲気がしてきました。このまま放置しておくとどうなるのだろうと思ったので,ただただ見ていることにしました。
10分くらい経過しました。2つのたまごは酢の中で上下左右まるで生きている魚のようにひゅるひゅるきゅるきゅるときりもみ回転をもまじえて泳ぎつづけて,ぶくぶくと泡を吐きつづけていました。揺れ動く振幅の幅がますます大きくなりつつあるなと思ったそのときでした。2つのたまごが垂直にぴょんと跳ね上がり,容器から離れて,宙を舞いました。
そして爆発しました。破裂音がぱんっと鳴りひびきました。
どうやらこれで終わったようです。気がついてみると,壁のあちこちに殻の破片や黄身やらが飛び散って,黄色くなって染まっています。わたしの上下にもべっとりと黄身や白身や酢がまとわりついて,すっぱい異臭を漂わせていました。