本日の読書

ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))ラヴクラフト全集1(ラヴクラフト創元推理文庫)」 巻頭「インスマウスの影」が☆☆☆☆☆ インスマウスという海辺の廃れた村とそこにひそむ怪物達が,静かに漆黒の夜闇の中を潜りながら,語り手「わたし」に襲い掛かろうとしてくる様子は,やけにリアルな筆致なんで読んでてはらはらどきどき。また,夜の海の中からつぎつぎ湧いてくる(?)怪物たちの描写もなかなか不気味でした。
著者自身が「海洋生物」を嫌っていたという伝記的事実もなんかうなずけます。海の生き物ってたしかに変わってるの多いですね。

その浮き彫りが,どこまでも単調に,ただ波の模様を表しているところは,不吉な感じがしてくるくらいであった。浮き彫りの中には,思わず顔を背けたくなるほどグロテスクで悪意に満ちた,忌まわしい伝説上の怪物・・たとえば,なかば魚,なかば両生類を思わせる・・姿も見受けられたが,こういう二つのものを思わせる気持ちと,たえず頭に浮かんでくる不愉快で潜在的な記憶感覚とを切り離すわけには行かなかった。それほどこれら怪物の姿は,その記憶力がまったく原始的でかつおそろしいまでに祖先伝来のものである脳細胞の深層組織から,あるなまなましいイメージを呼び起こすかのように思われた。こういう神を冒涜するような半魚半蛙の姿こそ,人間のまだ知らない,非人間的な悪の真髄にみちあふれているのだとわたしはときどき想像した。

「半魚半蛙」ですらすでにこのような「忌々しさ」を感じられているくらいですから。「へんないきもの」なんか読ませたら卒倒してしまうかもしれません。
あなたの身近な「困った人たち」の精神分析―パーソナリティそのミクロな狂い (新潮OH!文庫)小此木啓吾著新潮社)」,「マジ切れする人 逆切れする人 ―サドの意地悪、マゾのグチと共生するために  講談社+α新書矢幡洋講談社)」,「「嫉妬」とつきあうにはコツがある―人間関係がラクになる心理学(依田明著大和出版)」,「人づきあいが楽になるちょっとした「習慣術」 (祥伝社黄金文庫)和田秀樹祥伝社)」等々。この手の「カウンセリング系」著作は「意図的に」「定期的に」読む機会・習慣を設けといたほうがいいんだなと思うこのごろ。ストレスでなにかと波立っていた気持ちを鎮められます。助かります。また一ヶ月位したら,また読みに参ります。
ニチゲー力―日大芸術学部とは何か(山下聖美著三修社)」世間ではあんまり知られていない日大芸術学部内部のキャンパスライフの光景を紹介してくれてて興味深い。どういう4年間を過ごしているのかなと思ってましたが,けっこう普通に「講義」も行われているみたいですね。もっとも,講師としては,最前線で活躍中の現役クリエイターを招いたりしているそうで,その現役クリエイターと直に接することで,そのポテンシャルを学びとるということが趣旨だそうな。なるほどなるほど。
ほんとうは日本に憧れる中国人 「反日感情」の深層分析 (PHP新書)(王敏著PHP)」なにかと話題の隣国についてチェック。
以上。