本日の読了

三つの棺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 カ 2-3)「三つの棺(ディクスン・カー著ハヤカワ文庫)」 実は読了2度目。初めて読んだのは5年くらい昔のこと。初読時は,なんとなく読みづらい訳で,筋書きも雰囲気もよくわからないまま読み終えてしまいました覚えあります。
このたびの再読ではしっかり熟読。だけどあいかわらずの読みづらい訳で,読みとおすのに三日がかりでした。話の設定はおもしろいです。特に殺害されるグリモー教授の来歴がほんとうに面白い。過去に東欧で,犯罪を犯して逮捕され,それから留置場で「病死」扱いを受ける。グリモー教授の死体はいったん墓場に埋葬される。しかし,埋葬されてから,後で,その棺桶の中から,自ら土を掻きだして墓の下から脱出し,そのまま娑婆に戻ってきた,という設定になっているそうな。なんともありえなさすぎな変わった来歴です。
トリック自体はかなり強引。一種のギャグだと思う。だけど事件の真相は最後まで巧妙に秘されいて,意表を突かれました。
☆☆☆☆☆