本日の読了

天狗争乱 (新潮文庫)「天狗争乱(吉村昭新潮文庫)」4日かけて読む。むごい話。1865年春,尊皇攘夷の理想をかかげて下野の地より1000人程度で挙兵。はじめの3ヶ月程度は北関東で活動をしていたが,やがて京都にいる一橋慶喜様ならこの攘夷論による挙兵ついて,わかってくれるに違いないと考え,一路西進する。しかし,京都にたどり着く直前,越前国にて,首脳陣すべて身柄が拘束され,そして処刑される。処刑された人数はじつに300名を超えたとのこと。そしてそれは頼りにしていた一橋慶喜の意によるものだったというむごい結末。天狗党として,攘夷の理想を貫こうと奮闘努力をしたにもかかわらず,頼りにしていた肝心の上様に裏切られ,その心中の複雑さ如何ばかりなりや。