帯広市立図書館

本日は,板滑りは控えて,帯広市内散策。3月3日に表題の図書館が新築オープンされた*1のでさっそく訪問。帯広駅南口から歩いて一分もかからない位置に新築されました。ひろびろとしたフロアと,人の丈より低い書棚,広い窓から太陽の光がさんさんと入ってきて,いかにも開放的で明るいです。
1階は一般書籍,2階は地域資料と各種展示コーナー,3階は喫茶室,いずれも,ひろびろとしたスペースをフルに活用した,今風の図書館という感じです。
旧図書館の,あの,天井に届くくらいの丈高な書棚にぎっしり並んだ書籍類と,そして人一人やっとすれちがえるくらいの狭い通路と,いつもうすっ暗い閲覧室もまた,いかにも書物の巣窟みたいで,個人的には大好きだったのですが,でも,いまの感覚にはそぐわないものなのでしょうね。
2階には帯広市ゆかりの歌人中城ふみ子さんの資料室も,特別スペースとして設けられてます。生前刊行された歌集「乳房喪失」の初版本なんかも,ガラスケースなどには収められないで,誰でも手に取れる状態で,書棚に鎮座しています。その他中城さんにまつわる研究書等もいろいろ。もちろんズンさんが書いた「冬の花火」もあります。ガラスケース内には生前の日記及びメモ類,病床での愛用品(茶碗,枕もとの聖書)とかが展示されてます。死の淵での時間をともに過ごしたであろう,これら遺品を目の当たりにすると,言葉を失います。
他には,歌人中井英夫さん,宮柊二さんによる,直筆の寄せ書きとかがあります。
壁には,生前の写真10枚くらいと,そして,作家川端康成から送られた毛筆書簡も飾られてます。この川端さんの達筆は,書として,いつみても迫力満点で,字体を見てるだけでほれぼれします。むかしの人間の漢字力ってすげえやと感心するばかりです。ご旅行等で,帯広市に立ち寄られるときは是非一度ごらんくださいませ。駅のすぐ傍なので,旅先で不慮のすきま時間がぽっかり空いてしまったときなんかにどうぞ。
しかし,それにしても,この清新な図書館を拝めるのも,この3月限りなのでございます。