ゴスペル練習中のこと

昨日及び今日のゴスペル練習は,本番でも共演することになる,KIKIさん*1による,直々のピアノ伴奏により行いました。
KIKIさんによるオリジナル曲「空へ」を練習。おおまかな歌唱のアウトラインは完成。
この「空へ」という曲目は,この道内では,ロイズチョコレートのCMソングとしても有名で,人気も高いです。そして,歌詞に込められたメッセージもあたたかくて,励みになります内容です。
この曲を練習しているときの光景を一部,下記のとおり文章に書き写してみる。ぶっとおし4時間もの長丁場練習が,ようやく終わりに近づいたときのこと。

KIKIさん,鍵盤で和音を鳴らして,リズムをとりながら,話し始める。
『この曲(=「空へ」)は,わたし(=KIKI)が書いた曲だけれども,でも,(これを歌う)みなさん自身のための曲,でもあると思ってます。じゃあ,みんな,いくよっ!』
(ピアノ伴奏開始。一同起立して合唱)

 ♪歩き続ける 流れ行く 時を 
 ♪悲しみは 強さ 力に変る 
 ♪踏み出す その一歩 大空を 舞う 翼となり 
 ♪はばたけ 愛の風に 今 乗って・・・
 ♪Look to the sky. I feel I can fly. I see the light. I feel I can fly.・・・

上記のフレーズを一同で歌い終え,間奏に入る。そして,KIKIさんのトークがまた始まる。先ほどと同じように,鍵盤で和音を鳴らして,リズムをとりながら,その歌詞に込められたメッセージを踏まえつつ。
『・・・わたしたちは,決して,翼を,失ってはいませんよ。今日,ワークショップに参加してくださったみなさんのなかには,もし,このワークショップに来られる前,なにかしら,個人的に,問題があって,・・・とくに大きな問題じゃなくたって,・・・家庭の中とか,・・・友人関係の中とか,・・・いろんななかで,自分の中で,問題解決できないでいることが,あったかもしれない,・・・でも,どんなことがあったって,・・・絶対に,わたしたち,解決することができるよっ,大丈夫だから,・・・絶対に翼があって,絶対に飛ぶことが出来るから,絶対だからね・・・
ここに皆さんが集まったのは偶然ではなくて,本当にみんな,ここに,(神に)選ばれて,集めて来てくださったんだと思います。・・・ここでの出会いも決して偶然ではないと思う。・・・ひとりひとり,本当にひとりひとりが,集められたんだと思う。・・・昨日と今日のワークショップ,限られた時間だったんだけど,・・・ここに集ってくださった方々,一人一人が,もし,ここで,なにか,あたたかいことに,触れることができたら,・・・明日の一歩,明日の,小さな翼でもいから,その翼で,明日,飛ぶことが出来たら,・・・それで,わたしは,わたしのお願いが,叶ったと,思っています。大好きな帯広でワークショップが出来たことを,感謝しています。ありがとう!』
(練習会場,満場の拍手につつまれる)

上記のKIKIさんのトークを,わたしも聞きながら,その真摯なメッセージ性に,うんうん,なるほどなるほどなあ〜,と,わたしも深く納得しながら耳を傾けていました。
そしたら,突然,わたしのすぐ前の席で,同じように楽譜手に持って練習参加していたある女の人が,いきなり,しくしくと泣き始めました。よほど,歌のメッセージに感じ入っておられたのでしょう。いまにも,床の上に直に崩折れてしまいそうな雰囲気でした。そしたら,彼女の隣の席の,歌仲間が,彼女の背中を,ぽんぽんと叩いて励ましてました。
いったい彼女の心の内で,何が起きたのかは,周りの人間にはわかるはずはないけれども,でも,同じ会場に居て,ワークショップに参加していた,全員とも,多かれ少なかれ,同感するものがあったのではないか,という気がしたのも事実です。
傍で見てて,おどろきました。いやいや,ゴスペルというものは,その歌詞は日本語的にはずいぶんとくさいものはあるけれども,でも,音楽と併せて歌うことで,心の闇がおのづと開かれるということ,併せて,それが強い連帯感を作り出すということ,その底力を感じました。音楽による絆の強さというものに,改めて感じ入った次第なのでありました。