本日のDVD鑑賞

「陸軍特別攻撃隊」(日本映画社製作,陸軍報道部監修,1945年)。1944年11月以降の,フィリピンにおける特攻隊の様子を撮影した生々しいドキュメンタリーフィルム。
戦中に製作されただけあって,すべてがぎりぎりの国策調です。圧倒的物量で勝る敵軍に勝つためには,われら神州に授かった精神力以外にはない,という,いまとなっては,あまりにも悲壮で,虚しいメッセージが,フィルムのあちこちに窺えます。ていうか,ナレーションが,そう言ってます。
上官と別れの水杯を交わして,飛行場から,つぎつぎと青空の向こうへ飛び交っていく特攻機たちの映像。もちろん,彼らは二度とは戻ってこない運命。陸上では,群衆が,帽子,日の丸旗を振って,見送っている。戦記映画ではありがちなシーンではあっても,しかし,何度観てもずしんとこたえるものがある。
フィルムが終わりに近づくと,わが軍の特攻機による戦果が,黒地に白い字で書き記された数字によって掲示される(添付画像)。”航空母艦3隻轟沈”って,これってどう考えても誇張のように思う。戦中報道というものを知る資料のひとつなのだろうなと思いつつ鑑賞。観てて胸がつまりそうな思い。