夕方観たニュースメモ

札幌市内の高校放送部員が,「北方領土問題を考える」というテーマで,映像を製作したとのこと。そのためにわざわざ現ロシア領の色丹島に,特別に入国取材し,映像収録し,そして現地のロシア人とも交流を深められたとのこと。根室港から航路で,国後島へわたり,そして,その国後島からふたたび航路で,色丹島に行くというもの。行程は全部で9時間くらいとのこと。
現在の色丹島の光景が,フィルムで納められていたのが興味深かった。島の地の高低差はおおむね緩くて,大地がひろびろと広がっているのどかな印象の島。コンクリート製の丈高い建物はほとんどなく,木造建築による質素な建物ばかり*1。乳牛は,人の居住区も牧草地もかまわず,あちこち放し飼い状態*2。道はほとんどが砂利道で,舗装道路なるものはまったくない状態*3。平成の日本人から見ると,ここ色丹島では,想像以上に質素な生活が営まれているようだ。
現地在住のロシア人へ,領土問題についての,インタビュー場面から,印象に残ったのをメモ。
「正義が守られるのならば,ここ(=色丹島)が,ロシア領だろうが日本領だろうが,どちらでも構わない」
「争いは何も産まない。平和裡に事を運んでくれれば,と思う」
とのこと。庶民のレベルでは,ロシアのみなさんも戦火を望んでいないという点では,おおむね考えていることは一致しているように思った。それだけになお難しさもあるわけなのだが。とりあえずメモとして。

*1:したがって,放送部員を宿泊させるに適当なホテルも無いので,部員の宿泊は,もっぱら船中泊

*2:長靴をきちんと消毒しないと,畜舎にすら入れない日本の畜産業からすると,かなりの異世界

*3:現地在住のロシア人も「舗装道路が欲しい」と切実に訴えている模様