一段落

なにが心境が変わるわけでもないごく普通の札幌巡幸でございました。
古本屋店頭に並んでいるレコードを眺めながら、ふと思いついた札幌らしい小話。「あのー、このSPレコード、試聴してみたいのですけど」「ああ、いいけど、それ、盤面ひどいひびだらけでむちゃくちゃ聞き苦しいよ」「そこをなんとか」「了解、いま聴かせてやるから」 店主はそういって、その縁があちこちひびだらけでぼろぼろのレコードをおそるおそる手に取り、ターンテーブルに載せた。やがてくるくる回転しはじめた盤面にそっと針が落とされて、スピーカーから、その針音のぷちぷちいうひどいノイズとともに、しかし、とてもとてもありがたい重々しい内容の名言が聴こえてきた。「Boys Be Ambitious!!」 そうかそうか、クラック(ひび)博士の演説を収めたレコードだったんだな。
すくなくとも、こんなことを考えている以上、何も変わり映えしない札幌巡幸であったことはまちがいないでございます。
これより札幌を出ます。帰宅は何時ころになるだろ。