本日の読書

沖ノ鳥島爆破指令 (中公新書)沖ノ鳥島爆破指令」(中央公論新社) 仮想戦もの。東京都から南方およそ1740km離れた洋上に浮かぶ環礁の実効支配をめぐって繰り広げられる仮想バトル。ほんとうに起きそうなことなので,読んでていろいろ考えさせられる。ちっぽけな島にはすぎないが,国境の島であるので,常に国としてメンツが問われる地であることは今後も変わらない。北方四島及び竹島は,日本国が”戦犯”として悪者扱いされていて立場の弱い時期にまんまととられてしまったという経緯があるとしても,平成の今となっては,いまさら新たに国境の島の実効支配を,ほかの国へ許してしまうなんてわけには行かないだろう。沖ノ鳥島だけではなく,尖閣諸島ともども,なんとか上手くやってほしいものである。美しい珊瑚礁の島だもの。誰もがいつでも楽しく訪れることができる平和な地であってほしい。
沖ノ鳥島の地誌についての詳しい知識が得られるのも興味深い。自然物としての東小島と北小島のこと。そして人工物としての,観測所基盤,観測施設のこと。そして環礁の一箇所は,船舶停泊のために旧海軍による掘削がなされているということ。環礁の内部は深いところで50mもあること。天候もおおむね荒く,海況が穏やかな日はめったにないとのこと。記述がいろいろ詳しいので,この南国島の光景がリアルに,目の当たりに浮かんでくるようです。意外と知る機会が少ない知識なので,むしろ,こっちの方が目当てで楽しんで読んでたりしてます。