本日の読書

ワーグナー (作曲家・人と作品シリーズ)ワーグナー(吉田真著音楽の友社)」ワーグナーについては,けっこう知ってるつもりのようで,その生涯については年譜に従った体系的な記述を読む機会はすくないのではと思います。この書では,それらが,簡潔で,読みやすく,まとめられていて,ぱっと通読して*1ワーグナーの生涯と,ワーグナーの残した芸術と,そしてそれが現在の舞台芸術にも及ぼし続けているその巨大な影響力について学び直すことができます。ナイスな著作です。

1871年・・・ワーグナーは・・・バイロイトへ赴き,建設予定地買収の相談をした。・・・これが「緑が丘」と呼ばれる現在の祝祭劇場の場所である。小高い丘の上にたつ祝祭劇場は,バイロイト駅からも,また現在では市内に数多くあるホテルの最上階からもその姿を望むことができ,劇場へ向かうなだらかな上り坂も「巡礼」の気分をいやがうえにも高めるなど,結果的に理想的な立地条件となった。

偶然とはいっても,建物にとって場所ってのは大事ですの。ましてや「巡礼」などと宗教的法悦に近いものすら得られるとはすばらしい。

*1:といっても全部読むのに一週間くらいかけてじっくり楽しみました