本日のBGM

NAXOSの諸井三郎「交響曲第3番」 一聴してずいぶん地味〜な印象があるので,読書しながらインターネットしながらといった,ながら聴きをしていると,ただ耳から耳へと通り抜けてしまう曲です。だから,ヘッドフォンとか被って,身動きひとつせずに静聴しないと,この滋味に富んだ味わいは聴き逃してしまいますです。じっくりと聴けば,たとえば第1楽章なんか主題の扱いの仕方なんかなかなか意味ありげで深い味わいしますです。
ただ,これ,可能ならば,ライブで聴いてみたいです。このCDの録音だけだと,ちょっと音楽として整然とされてしまっているなという気がします。第1楽章なんか各所に散りばめられている主題の表出がもっとずしんと重いほうが面白いだろうし*1,あと,第2楽章はムラヴィンスキーみたいな速いテンポで小気味良く演ってくれたら楽しいでせうし,そして第3楽章はもっと沈鬱なまでに粘ったテンポで祈りの感情を表出してくれたらと思ったりします。
一聴して地味な交響曲だけど,地味なだけに,もっと随所でメリハリを効かせて,楽しませてくれたらと思うのでありました。*2
話は戻りますが,これがライブともなればまた違った表現が出てきますでしょうから,ぜひ聴いてみたく思います。もし異演の録音がどこかにあれば嬉しいです。*3

*1:思わず,”コケコケコ〜”と口ずさみたくなる主題があるが,あれなんかもっと怖〜く怖〜く押し出してくれたら良いのにと思ったりします。

*2:地味な印象の中に,真摯な祈りの感情が,音の中に垣間見えるという意味では,ある意味ブルックナー交響曲とも相通じるとも思います。ブルックナー好きの方にもお薦めな曲だと思います。ていうか結構としては,ブルックナー#9と似ているのではなかろうか。まん中楽章なんか刻むような弦音による激しいスケルツォだし,終楽章なんかゆったりと終わるところなんか特に。乱暴?

*3:けっしてこのCDの演奏をこき下ろしているのではありません。興味津々楽しく聴いてます。ただ本日のsaitohswebpageはカロリーたっぷりな演奏が好みなのでひとりでぶつぶつわがまま言っているだけです。