先日から

読み始めている蒐集家(コレクター)―異形コレクション (光文社文庫)所収に,中島らも作「DECO-CHIN」という短編あります。なんでも意ならずも遺作になってしまったという曰くつきのものなのだが,読んでびっくり,よく出来てる短編です。音楽(特にロック,ブルース)への造詣の深さと,そして音楽と一体化したいというとてつもない願望(←これがこの短編のテーマ。ネタバレになるので具体的には書けないのだが)を,創作の上でここまで表現できるということに驚嘆。
アルコールで酩酊状態があたりまえの日常で生きながらこういうもの書いてしまうんだから,やはり天才だったのでせうね。ご冥福をお祈りします。
それにしてもホラー小説は読後,後をひきまふね。ベッドに寝転んでからふと思い出してなかなか寝付けなくなるらも,もとい,かもです。