本日のDVD鑑賞

ドン・キホーテ」(G.W.パプスト監督 フョードル・シャリアピン主演)が届いたので鑑賞。1933年のもので,かなりの年季ものなのだが,画質そのものはずいぶんと安定していて観やすいです。
なんといってもシャリアピンを観るための映画です。この名バス,板の上では,いったいどんな演技をされていたのかを知りたい,想像してみたい,という興味に狩られながら観てました。
函記載の紹介文「伝説的な低音と西洋歌舞伎的名演を見せる唯一の傑作」とあるのが,なかなか的を得ているように思います。この映画の,シャリアピンの演技って,身体の動きは少ないのだけれども,騎士道小説にとりつかれたドン・キホーテの狂気の表情をずいぶんと迫力ある渋い演技で表情ゆたかに表現できていると思います。動きが少ないがゆえに,まさに「歌舞伎的」な説得力があります。*1
こういう映像を見るともっと時間をさかのぼって彼の若い頃の姿っていったいどんなものだったのだろうかも,興味が沸いてきます。歌手としての全盛期の頃の映像ってどこかに残ってないものでせうか。いや,そのまえに,その当時に,文章等で書かれた彼の姿をどこかから拾ってみなくては。そのうち図書館で漁ってみましょう。
この映画,絵の造り方も凝ってて,観ててわくわくものです。スペインの乾いた大地もよく撮れてますです。

*1:もっとも撮影当時はすでにご高齢でおられましたから,動きのおおい演技は望めなかったのかもしれなかったとしても