本日のBGM

スクリャービン「法悦の詩」
う〜ん,CD棚を漫然と眺めているうちになんとなくききくらべる仕儀になっただけで,まったくの偶然なのですが,ワーグナージークフリート牧歌」と続けざまに,このスクリャービン「法悦の詩」聴いていますと,なんかこの2曲って,底にはけっこう似たようなものがあるんじゃないかという気がしてきまそた。
単なる奇遇でせうけども,まずぱっと聴いてわかる共通点を挙げるとするならば,1 20分程度でまとまっていること。 2 音楽の流れはおおむねゆったりとしていること。 3 そして主題を何度も繰り返しながら,ゆっくりゆっくりとあせらず最後のフォルテの高みにのぼりつめていくこと。 そんなところでせうか。
でも,ジークフリート牧歌が,ぽかぽか陽気のあったかいひだまりの音楽だとするならば,法悦の詩は,果てなく暗い,夜の闇の中で,奏でられている音楽のようで,そういう意味ではあまりにも対照的でありまふね。まったくもって陰と陽でございます。#まあ,法悦の詩が,夜の音楽とされてゐるのはおおむね一致しているところでありませう。
そういう対照的な違いはあるとはいえ,でも,対照的ゆえに,何かしら,親和するものもあったりするのではと感じてるこのごろでそた。ともに19世紀のロマンの産物だし。
だけど堂々と口に出して論じられるやうなことではないですね。ただ同じCD棚に並んでたけなのです。